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ストレス

ストレスによる疲労 根底にある冷えをとる重炭酸温浴

2023.05.20 

ストレスによる疲労 根底にある冷えをとる重炭酸温浴

温浴は、日々の健康維持にとって極めて重要な習慣であり、その効果は多岐にわたります。体も心もリフレッシュし、翌朝に疲れを残さない睡眠に繋げるために温浴が果たす役割は大きく、また温浴の種類によっても疲労回復への効果が変わってくるのは重要なポイントです。本コラムでは、ストレスが血流の低下を招く仕組みやストレスの根本的な原因について紐解くとともに、ストレスからくる疲労の蓄積を防いで健康的な生活を送るヒントをお伝えします。

あなたは日頃以下のような心身の不調に悩まされてはいませんか?

こんな状態が続いていたら、それはストレス疲労のサインです
・イライラする
・不安だ
・落ち着かない
・ゆううつだ
・よく眠れない
・体の調子が悪い
・物事に集中できない
・することに間違いが多い
・仕事中、強い眠気に襲われる
・やる気が出ない
・へとへとだ(運動後を除く)
・朝、起きた時、ぐったりした疲れを感じる
・以前とくらべて、疲れやすい
・食欲がないと感じる
・肌荒れがある
・目が疲れる
・肩こり・腰痛に悩まされている
※労働者の疲労蓄積度自己診断チェックリスト(2023年改訂版:中央労働災害防止協会)より

これらはストレス疲労が積み重なった結果引き起こされる症状です。1日の疲れはその日のうちにとり去りたいものですが、疲れやだるさが続くと慢性疲労の状態となり、様々な健康障害のリスクにも繋がるため、気づいたら早めに対策を講じることです。中には貧血や心疾患、ウイルス感染症などの病気が隠れているケースもありますので、ただの疲労感だと思って放置せず、病気の有無を確かめた上でしっかり対処したいものです。

なかなかとれない疲労の根本原因は、ストレスによる血流低下にありました

重大な病気もなく、栄養の偏りもなく、激しい運動習慣もない場合、日常生活で疲労を招くおもな要因としては、睡眠不足、精神的ストレスによる脳疲労、化学物質ストレスの交感神経刺激による血流低下、そして血流低下が招くエネルギー不足が考えられます。
特に、毎日のお風呂で石鹸・シャンプーなどの洗浄剤を使って洗い過ぎると、外敵の侵入から体を守っている皮膚の皮脂バリアが壊れて、洗浄剤に含まれる合成界面化製剤などの化学物質や水道水の残留塩素が経皮吸収されやすくなります。

吸収された化学物質は、肝臓での初回解毒を免れて脂肪などに蓄積し、化学ストレスとなって交感神経を刺激し続け、末梢の血流を低下させるリスクがあります。
体内のエネルギー産生工場は細胞の中にあるミトコンドリアですが、エネルギーの材料である酸素と栄養をミトコンドリアへ運び入れ、代謝で生じた老廃物を体外へ運び出すのは、全身を巡る血流です。ところがその血流がストレスにより低下してしまうと、エネルギー代謝がうまく回らなくなり、体温が下がって体の様々な部位に冷えを生じます。すると深部の体温だけは維持しようと末梢の血管が熱を逃がさないように収縮し、血流がますます低下する悪循環に陥ってしまうのです。
さらに冷えは睡眠障害を招きます。十分な睡眠は、疲労を回復してストレスを軽減してくれますが、体温が低いと寝つきが悪く、眠りが浅くなるといわれています。
ストレスによる疲労症状を解決する第一歩は、交感神経に傾いた自律神経を副交感神経にシフトさせ、血管を拡げて血流を回復することです。

ストレスによる疲労回復には血流改善効果に優れた重炭酸入浴剤がおすすめです

温泉入浴が血行を促し、筋肉や関節の緊張を緩めて疲労回復をもたらすことは、古くから知られていました。中でも重炭酸泉は血行促進効果が高く、ドイツでは療養泉として生活習慣病の保険適用にもなり、その治療効果は国際的にも認められています。

疲労を回復する温浴の三大効果

血流をよくするための温め手段には、遠赤外線による岩盤浴やサウナなどがありますが、心血管に過度な負担をかけずに体の芯部を効率よく温めるのに適した方法は、温浴、すなわちお風呂です。温浴には、温熱作用の他に静水圧作用と浮力作用があり、水の圧が筋肉のポンプ作用を促して末梢に停滞した血液を心臓へ戻しやすくすること、水の浮力による体重軽減効果で筋肉が弛緩し、血管が開きやすくなることで、血流促進効果に優れると言われています。

重炭酸のぬるめ温浴でリラックス

中でも重炭酸温浴は、重炭酸イオンが血管拡張物質である一酸化窒素(NO)の分泌を介して血管を拡げ、血流を促すことで、効率よく体を温めることが報告されています(※1)。
日本人の中には熱いお風呂を好む方も多いですが、42℃以上の熱いお風呂は皮膚へのストレスとなって交感神経を刺激し、かえって湯疲れしてしまいます。疲労回復のためには、40℃を超えないぬるめの重炭酸温浴にゆっくり浸かることで、副交感神経を優位にし、リラックス効果を得ることが大切です。重炭酸入浴剤を使ったぬるめ全身浴では、体の芯部が温まり、脳への血流も促されて、心身の疲労回復が期待されます。

就寝前に適度な入浴を

また、就寝の1時間半から2時間ほど前に、20分以上の重炭酸温浴で深部体温が1℃近く上がると、それを下げようとして末梢の血管が開き、血液を流して放熱するため、深部体温の下げ幅がしっかり確保され、体はそれに反応してスムーズな入眠モードに入ると言われています。良質な睡眠は、傷ついた細胞の修復や新陳代謝を促し、疲労を回復し、ストレスの軽減に繋がります。

重炭酸NO温浴がストレス疲労を回復する3つのメカニズム

重炭酸NO温浴とは、重炭酸イオンの性質を利用して血流にはたらきかけ、化学ストレスフリーで皮膚バリアを守りながら洗浄作用をもたらす入浴法です。手軽な家庭用の中性重炭酸入浴剤を使って、40℃を超えないぬるめのお風呂で20分間全身浴をすることで、血管を開いて血の巡りを促し、心身をリラックスさせます。

重炭酸イオンが血管拡張物質NOを介して血管を拡げます(※1)

中性重炭酸入浴剤のおもな成分は重曹とクエン酸、ビタミンCです。お湯に溶かすことで生じる重炭酸イオンが皮膚から吸収されて、血管内皮細胞での一酸化窒素(NO)の分泌を高めます。NOは血管を拡張させる作用を備え、拡がった血管の中を血液が流れやすい状態にしてくれます。また、NOは血管の機能を向上させる作用があることも知られており、入浴時のみならず、日常的に血流のよい状態が続くことが期待されています。

血流がよくなると体温が上がります(※1)

NOの作用で血管が拡張して全身の血流がよくなり、ぬるいお湯の温度でも体温が上がるため、副交感神経優位な状態を保ちながら心臓や血管に負担をかけずに体温を上げることができると言われています。また、ビタミンCの作用で水中の残留塩素が瞬時に分解されるため、化学ストレスによる交感神経刺激がなく、リラックス状態を保ちます。
冷え性の方では1回温浴しただけでも重炭酸温浴の効果を体感される方は多いですが、さらに重炭酸温浴を繰り返すことで血管が開きやすくなって血流が行き渡り、平熱時の体温が上がって日常的に血流のよい状態が続くことが期待され、疲労蓄積の予防にも繋がると考えられます。

合成洗剤いらずの重炭酸入浴剤は化学ストレスを与えません

マイナスに荷電した重炭酸イオンが、プラスに荷電した表皮の老廃物を吸着して、化学物質を含む洗浄剤を使わずに汚れやニオイを除去してくれます。これまでのボディシャンプーやシャンプーのような洗浄剤を使う必要がなく、重炭酸入浴剤一つで洗浄と温めの役割を果たしますので、化学物質によるストレスが交感神経を刺激することがありません。裸にあるお風呂では皮膚が大面積の吸収体となるため、化学物質による血流低下は体の疲労を招きますが、重炭酸入浴剤の使用でこのようなストレスを避けることができます。

まとめ

温浴には、様々な効果があります。体を温めて血流をよくすることで、気分をリフレッシュし、ストレスを軽減し、疲労回復に繋げます。気づかぬうちに大きなストレスとなる化学物質の悪影響を避けることは何より重要です。そして、ぬるめのお湯にゆっくりと浸かること。毎日の正しいバスタイムを心身の疲労回復に役立てましょう。

※1:Scientific Reports 11, 21789 (2021)
※2:Jpn J Rehabil Med VOL. 48 NO. 1 (2011)